最近イオンやセブン&アイなどの大手量販グループに象徴されるように、食料品はもちろんのこと、薬や日用品の分野まで安価なPBブランド品が広がり始めている。
たとえばカップヌードルはNBだとだいたい160円位のものが、PBだと98円くらいであったり、最近話題になっているが第3のビールのPB品においてはビックリの100円だといい缶コーヒーより安い価格で販売されているのだ。ぶっちゃけ消費者にとってはありがたい話であるし、テレビなどで主婦にインタビューしても皆口をそろえて「主婦の味方で~す!」だの「主人にはこれからは、この100円ビールにしてもらいま~す!」などとウエルカムで喜んでいる。
でもこれって超恐ろしい事だよな・・・
商品ってものには必ず適正な価格があると思うんだけど。
価格破壊が当たり前になると、物の価値が下がってしまう。世の中のすべての価値(お金)は縮小し、デフレスパイラルに陥って行く。
一例だけど、NBが売れないとメーカーは単に大手量販グループの工場になってしまう。そうなると当然メーカーの広告費は削られるので、テレビCM・新聞広告・印刷・紙・インクなど多数の業種に連鎖の影響が出る。
また商品の売り先が確定しているので営業をはじめ社員のリストラを行うことになるし、利益率がコントロールされるので収益は一定以上伸びなくなる。その為次は運送業や倉庫業など物流業者にしわ寄せ(コスト削減)がくるし、その他PBに対応出来ない小さな製造業や卸業、小売業の倒産が増加する。当事者の大手量販同士にしても熾烈な価格競争合戦を行い体力を消耗する。それらの事により連鎖に関る多数の企業の法人税や社員の所得税などが減収し、税収不足に陥る。それを補うためには消費税などの直接税を上げざる得ない。今度は消費が落ち込んでいくので物が売れない、お金が循環しない。
結局は恐怖の連鎖により失業率の上昇、家庭の収入減に加え増税・・・とシャレにならない状況が起こり得るのだ。
一般的に経済は緩やかなインフレが望ましいという。価格統制はもちろんいけないんだけど、無制限の価格破壊に対しても何か対策を考えないとホントやばいよなぁ・・・
今までの人類は歴史上で必ず戦争のような破壊や復興によって、その行き詰まった世界をリセットしてこれたのだが、御破算ができなくなっている現代は新たな経済の形ってものが必要なんだろうなぁ。ワークシェアじゃないけど最低限のビジネスシェアが保たれる社会が。
まったく世の中シェケナですな・・・