何やら最近巷では安デニムの価格合戦が繰り広げられている。
つい1年程前に西友で1400円位のPBデニムが出たと思ったら、その後すぐにユニクロ別ブランドで900円台、そしてイオンやヨーカドーなどが800円台を販売するなど熾烈な安価デフレ競争を繰り返している。
値段をどんどん下げられるのは、その製造工場をどんどん安い国にシフトしているからだ。最近中国は労働者の賃金が上昇してきているので、より低賃金のカンボジア、そして最近はバングラディッシュへとシフトしている。(バングラの人件費は中国の3分の1位とのこと)
そして賃金が上がっていけばまた別の安い国へシフトするというその繰り返しだけである。現実に中国は縫製などの分野では労働需要が減ってきている。そのような今までの経緯を見ると今後は労働者が賃上げを要求するとコスト高で工場はシフトされてしまうし、そして労働者は失業してしまう。なので工場のオーナーは労働者に対して賃上げを拒否するだろうし、労働者も低賃金と失業の危機との板挟みになるであろう。まさに地獄だ・・・こんな何百円の安デニムを100円ぽっち下げる競争のために。
いったいたかがデニムをここまで安くする必要ってあるのか?安くても2~3千円位でいいんじゃないか?
低価格のものは、それはそれで良い。そりゃニーズがあるのだし・・・しかし売る方だって1本売って数百円しか儲からないんだし、いったい企業として従業員が何本売って時給と釣り合いがとれるんだ?また他の分野でもこういう事が繰り返されているからデフレスパイラルになり企業収益が悪くなって失業者が増えている原因になっている。安価競争だけでなくもうちょっとアイデアとか質、こだわりを競争して適正な価格で商売をする、価格でなくて少し高くてもこの商品が欲しい!っていうモノを育てないと、ホントに優秀な人しか仕事なくなっちゃうぜ!
また、こんなだと国民もみなドンドン貧乏癖に浸っていき、豊かな生活や夢を見なくなっちゃうぞ。皆が安モノだから、俺もこれでいい。昔は一億総中流、これからは一億総下流で安心♪ってな感じで。
人は何か高価なもの、こだわりのモノ、夢を見るモノがあるからそれを手に入れたい為に一生懸命働いて金を貯めるなど目標を持って頑張れる。モチベーションがないと社会が滅んでゆく。少しでもいい暮らしがしたい、美味しいものを食べたい、たまにはお洒落したいなどなど。なんでも底辺の安物で平気な世の中じゃ、グローバル化した今の世界では日本は衰落の一途を辿っていくであろう。アジア諸国をはじめ世界の人々はみな超ギラギラしてるぜ!
こんなんだっていいじゃない!